OH!ドラゴンズ

⑮ ぺらんぺらんの思い出

2020/03/25 (水) 16:27
⑮ ぺらんぺらんの思い出
 年齢を重ねれば重ねるほど思い出の品は増え続け、ある程度は処分しないと大変なことになってしまいます。しかし、捨ててしまってから後悔しても、大切な物は戻ってきません。いったいどうしたら良いのでしょうか?
 義母は生前「うちにはストラディバリウスがある」と言っていました。あの、何億円もするバイオリンです!「昔は、いいとこのお嬢さまだったでよう」と本人が言っていましたから、いやが応でも胸が高まったものでした。亡くなってから遺品整理をすると、出てきましたよ、バイオリン。ところが妻は、速攻で「そんなぺらんぺらんなバイオリンはいらん!」と言うではありませんか。見るからに安物でしたが「大変高価な物だけど、遺産分割でもめたらあかんで、ほかるか」などと大いに盛り上がり、義母の冗談に心が温まるひと時でした。一方、私の父は若い頃から病弱で、母が大変苦労して兄と私を育ててくれました。「女だと思ってバカにするじゃにゃー」が口癖の気の強い人でしたが、嫁入り道具に持ってきたぺらんぺらんな小物入れを、とても大切にしていました。これは、私が形見としてもらい、塗料を塗り直し、今は娘が使っています。同じぺらんぺらんな物でも、状況によってずいぶん扱いが違います。
 思い出の品を取っておくか処分するかを決めるコツは、自分の心の声に素直に耳を傾けることだと思います。それに、誤って捨ててしまっても、大切な思い出は心の中に残ります。答えになっていないかもしれませんが、もっと自分を信じて決めれば良いのではないでしょうか。
 今回で実家の片付けの連載は終了です。おかげさまで、楽しい思い出を増やすことができました。温かく見守ってくださった皆さまに厚く御礼申し上げます。
 

森 常久(もり・つねひさ)

 株式会社中西取締役業務部長。1957年生まれ。「ゴミ屋敷から生前整理・遺品整理まで片付けのことなら何でもおまかせ!の片付けトントン」を運営。
■問合せ 片付けトントン フリーダイヤル 0120- 947- 479