ひとくち法話

第八回 今月の言葉 老苦

2019/11/21 (木) 15:15
第八回 今月の言葉 老苦
 お釈迦様が、人生は苦なりと仰せになっていますが、その中には老いることの苦しみが含まれています。誰しも歳はとりたくない、老いたくはないと考えますが、避けて通ることができるでしょうか。
 一般に歳をとると、体が自由に動かない、視覚や聴覚も衰える、バランスがとりにくい、動作が鈍くなる、物忘れが激しくなるなどといわれます。老いた人、古くなったものは、くたびれたもの、間に合わないものという通念がありますが、それだけではないはずです。
 確かに老いは苦であります。しかし、美しく老いた姿には、若者に見られない安らぎがあります。長い年月を通して風雪に耐え、人生の悲しみも喜びも味わってきた人には、深く美しい年輪が刻まれて、そこはかとなく安らぎを感じさせるものがあります。常に前向きの心を崩さない人には、強靭な力さえ感じることがあります。
 いのちの尊厳に目覚め「こころの眼がひらく」ことによって、自由無碍の世界をゆったり歩むことができるのでしょう。