ひとくち法話

第十回 今月の言葉 現世利益

2020/01/20 (月) 19:29
第十回 今月の言葉 現世利益
 現世とはこの世のこと。利益は仏教では「りやく」といい、現世に息災、延命などの利益を得ることと辞典にあります。
 願い事や欲望を叶えるため、神や仏に願ったり祈ったりしていないでしょうか。ご開山の高僧和讃は、南無阿弥陀仏ともっぱら称えていても、家内安全、商売繁盛、息災延命など現世利益を得ようと祈る人は、千人に一人も浄土に往生していないと厳しく戒めておられます。しかし現実は、日の良し悪し、占い、呪い、祈願祈祷などに走る人もいるかもしれません。
 真宗の教えでは現世の利益を祈ることは致しません。如来の本願を信ずる念仏者は、この世で受ける利益に際限がないからです。六道輪廻といって、迷いの世界を巡らねばならぬ罪も消え、この世で受けるべき限りある寿命も中折れすることはありません。念仏者は「この世の利益きわもなし」と言えるのであります。